スパークリングワインとシャンパンの違い
シャンパンとは、フランスのシャンパーニュ地方でのみ造られたスパークリングワインのことです。
シャンパーニュ地方以外で作られたスパークリングワインは、シャンパンとは呼べません。
また、シャンパンは、フランス政府が定めるAOC(Appellation d’Origine Controlee: 原産地呼称)の
厳しい基準(ブドウ品種、収穫量、製法など)を守って製造することが義務付けられています。
逆に、シャンパーニュ地方以外で作られる発泡性ワインは、すべてスパークリングワインと呼ばれます。
イングリッシュ・スパークリングワインは、シャンパン品種*を使い、シャンパンと同じ製法で作られています。イギリスにも、AOCのような原産地呼称を定めた規定 - PDO (Protected Designation of Origin)はあります。が、本格的なイギリスのワインづくりは1990年以降に始まったばかり。欧州においては新顔なので、ワインに関するPDOが制定されたのもつい最近、2011年のこと。そのため、シャンパンのように細かく厳しい規定はなく、ワインメーカーにとってはチャレンジできる幅が比較的広いと言えます。
ワインづくりにおいて、イギリスは欧州のニューワールドなのです。
*シャンパン品種: シャルドネ、ピノ・ノワール、ピノ・ムーニエ
追記: 2021年に英国で初めて州に許可されるPDO、Sussex PDOが認可されました。
サセックス州で収穫したぶどうでサセックス州で造られたワインにはSussex PDOと
表記出来るようになりました。現状、イギリスの有名ワイナリーの中には南東部の幾つかの州に
ぶどう畑を所有する所も多く、またPDO表示でワインの価格が高くなると消費者に不利益…等々
賛否両論があります。今後どのように進んでいくのか、注目していきたい点です。