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Japanese Love Affair with Sparkling Wines - 日本人とスパークリングワイン🍾 

Sussex Vinoのブログへお越しくださり、ありがとうございます!

このブログでは、イングリッシュワイン ー特にイングリッシュ・スパークリングワイン(ESW)ー と、イギリスのワイナリーについてご紹介しています。…が、今回は番外編。日本人とスパークリングワイン(泡もの)の相性について考察してみました。


世界で一番有名なスパークリングワイン…シャンパン。

その生産量の約半数にあたる51%が、フランス国外へ輸出されています (2018年統計)。

国別輸入高の第一位は、歴史的にフランスワインの消費が根付いている隣国イギリス、続いて市場規模が大きいアメリカ、そして第3位には日本が名を連ねています*。


2018年の国別ワイン消費量で言えば、日本は国民一人当たりの年間消費量が4.2本(少なすぎる!? )で、これは世界で16番目**。

日本は、ワインの年間消費量はそう多くないのに、シャンパンの輸入量が極めて多い事が分かります。単純に解釈すると日本人はシャンパン好き …ということです。


さて、それはなぜなのでしょう?


美味しいシャンパンを愛するのに理由は要らない…と思いつつ、あえてその理由を深堀りしてみました!


一つ目の理由として、日本にはギフトカルチャーつまり贈答品文化が根付いているので、高級感のあるシャンパンを贈答品として利用しているから、ということが考えられます。最近は、企業間や改まった関係の方へ送るお中元やお歳暮は減少傾向にあるようですが、反面、身近な知人や親戚など本当に感謝の意を表したい方にギフトを送る人が増えているとも言われます。相手の嗜好が分かっていて、その方がワイン好きであれば、シャンパンを贈るのは妥当な選択と言えます。


またシャンパンは、ホテルでの宴会・結婚披露宴、高級クラブなどで供され、ラグジュアリー感を出すための必須アイテムであることも人気の理由として挙げられます。


あるいは、居酒屋などで「とりあえず」頼んでしまうラガービール。キンキンに冷えたラガービールは、高温多湿の日本の夏には最強の飲み物でしょう。

この「とりあえず(考えもせず)」頼んでしまうほど日本人に浸透している、ラガービールの持つ冷たくすっきりしたのど越しと泡。シャンパンと生ビールでは味覚的にも金額的に大きな違いがありますが、共に冷たい泡のお酒。

最近は低価格帯スパークリングワインにおいても、日本への輸出量が増加しています。

スペインのCava(カヴァ)やイタリア産Prosecco(プロセッコ)などがそれです。



2019年のCava(カヴァ)輸出先として、日本は前年比27.4%+で世界第5位にランクされています***。

ラガービールに慣れ親しんできた嗜好が、こういったスパークリングワインを受け入れやすくしているのかもしれません。  



繊細な味付けの和食

さらに、和食に合わせやすいワイン、それがシャンパンだから…という事も大きな理由として考えられます。和食はその繊細な味と旨味成分のため、ワインとのペアリングが必ずしも簡単とは言えない食事です。しかし、良質なシャンパンに多くみられる「旨味成分」は、旨味を多く含む和食とペアリングしやすいワインの一つと言えるでしょう。


旨味は、チーズ・サンドライドトマト・熟成肉・干し椎茸・かつお節など熟成あるいは発酵食品に多く感知される成分です。旨味で育ってきた日本人には説明不要な味覚ですが、西洋人の中にはピンと来ない人もいるようです。

シャンパンの持つ旨味、それから繊細な香りと泡と味わい、そのエレガントさが繊細な味覚を持つ多くの日本人の心を惹きつけるとも考えられます。


もちろん、和食とのペアリングという味覚の観点だけでなく、お祝い事やおもてなしなどの特別な場面でシャンパン(または他のスパークリングワイン)を開ける音や動作が、食事の場をさらに華やかに盛り上げることは間違いありません。おもてなしをきちんとしたいと考える日本人にとって、シャンパン(または他のスパークリングワイン)は、その気持ちを伝えるためのお助けアイテムにもなりえます。


文化的にも味覚的にも心情的にも、スパークリングワイン特にシャンパンは、日本人のニーズにマッチしたワインと言えそうです。


English Sparkling wines

ところで、イングリッシュスパークリング(ESW)の特徴は、フレッシュな果実香味と繊細な味わい、それに際立つ酸味です。木樽をほとんど使わないか、全く使わないスタイルが主流。食事とのペアリングとしては、白身魚のお刺身や牡蠣などの貝類、スモークサーモンなどと相性の良いワインが多いようです。(ロゼならロブスターやエビやサーモンなど。)


しかし、ワイナリーによっては木樽を使ったり、ボトル内で熟成させたスタイルのESWを造り出していて、今後はさらにそのような旨味の詰まった熟成スタイルが増えてくるものと予想されます。そうなると、より多様な和食とESWとのペアリングを楽しめるようになることでしょう。


懐石 - 和食ここに集結


また、スパークリングワインではないのですが、イギリスのシグネチャー的ぶどう品種であるバッカス(Bacchus)から造られたスティル(泡なし)ワインは、ソーヴィニヨン・ブランに似た、辛口で酸味が高くアロマティックなワインながら、リッチで厚みのあるテクスチャーがあり、餃子とのペアリングが楽しめます。


Bacchus バッカス
バッカス:元々はドイツ品種のハイブリッド(交配)












ちなみにバッカスという名は、ギリシャ神話のワインの神様(バッカスまたはディオニュソス)の名前からとったもの。絵画に描かれているバッカスって、男性なのに妙にいつもムッチリしているので、この品種のテクスチャーと重なる所があるかも。


ワインの神様 バッカス

ESWと同時にプロセッコやカヴァを加えてブラインドテイスティングすると、それぞれの特徴が顕著になるので楽しいですね。大人数で集まることが難しい昨今、シャンパンストッパーが必要です。一人で3~4本位空けられれば別ですが…(笑)




Data source:



データによると日本の年間ワイン消費量は350万ヘクトリットル。これは750mlの通常ボトルなら4億4,500万本分、つまり国民一人当たり年間消費量は4.2本という計算。


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