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このブログでは、イングリッシュワイン ー特にイングリッシュ・スパークリングワイン(ESW)ー と、イギリスのワイナリーについてご紹介しています。
今回はサセックスワイナリー訪問の続々編として、ワイナリーから車を走らせること10分程度でアクセス可能な可愛らしい村をもうひとつご紹介します。
森の中のワイナリー Bluebell Vineyard (ブルーベル・ヴィンヤード:www.bluebellvineyard.org ) 、その近くの保存鉄道 Bluebell Railway (ブルーベル鉄道:www.bluebell-railway.com )の駅舎、どちらからでも車で10分程度で到着できる…その村は…Lindfield (リンドフィールド村) です!
最寄り駅であるHaywards Heath(ヘイワーズ・ヒース)駅からは車で約5分。 車で訪れる際は、ハイストリート近くのDenman’s Lane駐車場(RH16 2LA)が無料で便利。
このリンドフィールド村は、過去に何度も国内の「最も美しく保存された村」に選ばれています。が、あまりにも優勝回数が多いため、ある年を境に賞を辞退するよう要請されてしまいました。いわば「コンテスト出禁」の村なのです。
確かに村の中は、すぐ映画の撮影に使えそうな古くて風情ある建物が目白押し!
村に現存する最古の教会は11世紀に現在の石造建築になったようですが、それ以前から木造の教会として存在していたことが記録に残っています。また、この村は14世紀に王室よりマーケットタウンとしての許可を与えられ、羊の売買などが盛んに行われていました。
そして18世紀になると、前回のクックフィールド村同様、ロンドン⇔ブライトン間の宿場町(Coach Town)として人々や物資が行き交う町になります。
*村の公民館「キング・エドワードホール」*
ところで、Lindfield(リンドフィールド)という村名は「ライムの木々のある平地」に由来するそうです。「え?寒いイギリスでライムの木が育つの?」と思いますが、イギリス南部でも種類によってはライムの木が育つようです。ただ個人的には、当時のライムとはLinden(リンデン)という木ではないか…と推測しています。ビミョウ。
この村の見どころは:
●緩やかな坂に沿った風情あるハイストリート(いわゆる銀座通り✨)の景観
●ハイストリート沿いの古い建物と小さなお店やカフェ
●公共の緑地(common:地元の人々が散歩したり、スポーツをしたりできる広い緑地)
●緑地の近くにある、癒し効果抜群の池
●坂の上にある古く趣ある教会と周辺の古い家屋
特別に「これ!」という観光スポットがある訳ではありませんが、ゆっくり歩いているだけで心が落ち着いてくる…そんな村です。そしてそれこそが、この村が普通のイギリス人に愛される理由かもしれません。
車で訪れる場合は、Denman’s Lane駐車場に車を停めてハイストリートへ出たら、右手に坂を下っていきます。
すぐに池が見えてくるので、しばし足を止めてみましょう。池を泳ぐ元気な鴨や、池をぐるりと囲むように建てられた趣ある家々の眺めは、一枚の絵画のようです。
道の斜め向こうには、広々とした緑地(common)が広がり、不思議と心穏やかになる風景です。
今度はハイストリートの緩やかな坂道を上がっていくと、古い建物や小さなお店の佇まいに目が留まります。
*屋根が曲がり具合から、建物の古さが伺えます。屋根を支える木造の柱が経年で曲がっていることを物語っています。*
ハイストリート沿いには、村名の由来となるライムの木が植えられています。また、ハイストリート沿いの建物は中世以降の様々な年代の建築様式のもの。
チューダー様式や茅葺屋根の家などが目を楽しませてくれます。
チューダー様式。チューダー王朝と言えばヘンリー8世…ザックリ言うと主に16世紀。
15世紀末以降に見られる建築様式なので、16世紀に建てられたとは限らないのですが、このお宅は16世紀の趣きがあります。
坂の頂上に差し掛かると、村最古の教会 All Saints‘ Church(オールセインツ教会)の尖塔が見えてきます。
*電線は、イギリスでは大抵地中に埋められているのですが、古い村に行くと日本のように地上で目にします。惜しいですね~。
時代物の撮影で使う時は、編集処理して消すのでしょうか*
その手前にはThe Tiger(ザ・タイガー)という昔のイン(宿)の名残りの看板と建物。
イギリスに虎は生息していないので、パブやインの看板としてはとても珍しい絵柄です。
余談ながら、イギリスの歴史あるパブの看板は「味のあるもの」が多いので、写真撮影するコレクターを時々見かけます。
教会は通常、内部見学可能。また、教会の裏手辺りにも茅葺屋根や古い木造建築の家々が見られます。
*なぜかバイキングという名前の家。風情があります。
ドアの低さも古い家の特徴。昔の人は背が低かったのです*
*今ではあまり見かけない電話ボックス。赤色がクリアなのはメンテが行き届いている証拠です。中を見たら、公衆電話がちゃんとありましたー!嬉しくなりますね*
さすが「コンテスト出禁」の村!
ほとんどの古い家々は個人住宅ですが、ものすごく手入れが行き届いていることがハッキリと分かります。古い家のメンテは大変だし、法規制があって勝手に改装なども許されないので実は厄介。
個人的には、古い家は見るのは良いけど住むのはパスと思っています。(スミマセン😓)
しかし、リンドフィールド村の住人は違う!
この美しく歴史ある村の住人として、また「古民家」に住む者としての”英国的プライド”がヒシヒシと感じられる世界です。
個人住宅前で立ち止まって写真を撮るという行為は失礼なことなので、撮影はなるべく避けるか、望遠にしてササッと遠くから撮影するようにしています。(住人が近くにいたら、モチロン許可を取ってから撮影しますが…)
しかしこの村に限っては、むしろ「撮られること前提で」人々がそこに住んでいるような印象を受けました。
それほど、古い家や街並みのメンテナンスに、とにかくスキが無い。
やはりコンテスト「出禁の村」(しつこい?)
次回は、またワイナリーへご案内します。(間を空けずに…)
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